1年生の授業。東京衛生学園専門学校はユニークです。鍼の練習には鍼が、灸の練習には灸が必要なのは言うまでもないですが、道具がなくてもできる練習というのがあります。 スポーツ選手と呼ばれる人たちは、競技に関係なく「基礎体力」があり「身体の柔軟性」を備えています。そう考えると、鍼灸師のための肉体改造をする練習があってもおかしくないです。 そして、あるんですよこれが。東京衛生学園では、そのためのトレーニングをおこなっています。

どれも私のオリジナルではなく、3名の先生から教えていただいた内容を紹介しています。 1つめは、中医学の東京衛生学園ということで、本学園の兵頭 明(ひょうどう あきら)先生から教えていただいたもの。 2つめは、日本伝統鍼灸の一流派である「古典鍼灸研究会」で伝わっているものを、講師の鳥谷部創治(とやべ そうじ)先生から教えていただきました。鳥谷部先生の師匠といえば、あの井上雅文(いのうえ まさぶみ)先生です。 そして最後、3つめは、日本の伝統医学や鍼灸の歴史を紐解く「日本医学史・鍼灸史」の第一人者としても非常に有名な長野仁(ながの ひとし)先生考案のものです。臨床家としても超一流な先生が、ある鍼の「技」の習得のためのエクササイズとして考案した「唯掌論(ゆいしょうろん)」を紹介しています。

で、その前におこなっているのが、写真で紹介している「ゴルフボール回し」です。 高橋は、初めて行った中国研修の際に、陰陽のマークが記された球が素敵で購入したのですが、お店の人が「こうやって使うんだよ」と教えてくれたのが20年以上前のことです。「ボケ防止にいい」とのことでしたが、指先のトレーニングになることが分かってから、東京衛生学園の鍼灸実技の授業に導入しています。 ちなみに、鉄球やクルミを手のひらで回す運動は、近年の中国のお土産屋さんなどで「保定球(ほていきゅう)」の名前で販売されています。ネットで調べると漢王朝時代とか明代とか書かれているのですが、信頼できる一次資料は見つけることができていません(笑)。

実は、東京衛生学園には「入学前課題」というのがあります。入学が決まった方に、入学までの間に読んでほしい本を紹介したり、鍼灸上達のための肉体改造として「ゴルフボール回し」をやってもらったりしています。 技術だけでなく知識にも言えることですが、『ビル』を高く積み上げるためには、それを支える『頑丈な土台(基礎知識、そして身体)』が絶対に必要です。土台がグラついていたら、どんな高度な技も身に付けるのは難しいですからね。