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【東洋ブログ 大希のつぶやき】中国鍼の練習 1年生

2026年02月03日 授業の様子

東京衛生学園では、3年間徹底的に基礎の実技を練習します。鍼治療で使用される「鍼」は、毫鍼(ごうしん)と呼ばれています。一般的に「鍼」に太い細い、長い短いがあるのは想像できると思いますが、2000年前の古代中国で書かれた『霊枢』(れいすう)には、9種類の鍼が登場します。その中で、現在の日本や中国で主に使用される鍼が、当時の毫鍼と呼ばれる1つになるというわけです。しかし、日本で使用されている毫鍼と中国で使用される毫鍼は形状が違います。これは鍼の刺し方の違いは当然として、鍼を受ける患者さんの体質、そして道具としての鍼を作ることができる職人さんの技術があってのことでしょう。ってことで、写真をご覧ください。

写真の左が中国の毫鍼。日本では中国鍼(ちゅうごくしん)と呼ばれています。で、右が日本の毫鍼。まー、日本では鍼だよね。あるいは日本であることを前提として毫鍼といってます。日本とも体に刺さる部分(鍼体:しんたい)の長さが同じなのに、持ち手(鍼柄:しんぺい)の長さが違うのが分かると思います。で、形状も違います。中国鍼は、鍼体が鍼体の上(端)まであり、そこに細い針金を巻いて滑らないようにして鍼柄をつくっています。ちなみに鍼柄の端には輪があります。これは、製造上の都合だったり、技の為だったり、他の道具との併用(灸頭鍼)の為とか文献等でいろいろ言われていますが、そもそもの理由は分かりません(恐らく製造の都合だと高橋は思っています)。日本の鍼柄は、管状になっていてそこに鍼体刺さっている感じです。

そんな中国鍼の刺し方を習い始めの1年生で見てみましょう。

手元をアップすると…。中国鍼を持った右手の人差し指がわずかに曲がっています(赤点線)。ここから…

力強く素早く指を伸ばして鍼を刺します。東京衛生の掛け声は「シュッ」です。シュッ!

一瞬で鍼が刺さります。

さて、そんな中国鍼の刺し方を高橋が説明する際の板書を公開してみましょう(笑)

中国鍼だろうが、日本鍼だろうが、鍼を刺すには「刺入力(しにゅうりょく)」が必要になるのですが、この刺入力の基本となるのが「鍼芯(しんしん)」を捉えることです。簡単にいうと、鍼をギューッと押し込んで(刺し込んで)も鍼が曲がらない(たわまない)で刺せることです。鍼は素材によって強度が違いますし、強度は鍼の長さと太さにも左右されます。鍼を手に持って患者さんに触れた瞬間にその鍼の鍼芯を捉えることができるかどうかが、簡単にいえば鍼が上手いか下手かの差になってきます。この鍼芯を捉えるという作業を一瞬で行うのが中国鍼であり、0.1㎜単位で刺さっていく(長さが変わっていく、短くなっていく)鍼の鍼芯を捉え続けるという作業が日本鍼、とくに銀製の日本鍼です。

写真:東京衛生で3年間使用するカナケン製の中国鍼。

この2種類の鍼芯の捉え方を極めることで、あらゆる鍼が刺せるようになります。この両極端な技術を身に付けるために、東京衛生学園では、1年生から3年間、中国鍼も銀製の日本鍼も刺し続けるのです。

私は学外の勉強会でも鍼灸を教えていますが、正直、出身校によって技量の差が激しすぎます。関東圏にも、学費がやすい、オンライン授業だけで3日の通学だけでよい、国家試験対策だけに3年間専念、などなどいろいろな鍼灸学校がありますが、東京衛生学園は職業訓練校なんです。学生中にどんだけ基礎を身に付けたかが技術の全てといってもいいでしょう。もちろん、卒後に自分の技量の低さに気づき、そこから練習を頑張る人もいますが、私の経験でそんな人は100人に1人です。あとは、学生時代の技量がベースになって経験が積まれていくのです。良き師匠に出会えるように、良き鍼灸学校に出会えることも、その人の持っている何かなんだろうなーって最近は思います。

って感じで本日のブログを終わります。

鍼灸、上手くなりたいんです。
鍼灸師 高橋大希