あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・看護師・理学療法士のエキスパートを養成する

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4月に入学した新入生たちも、座学の授業にだいぶ慣れてきたようですが、いよいよ鍼灸実技の授業が始まりました。

多くの鍼灸学校では、「はり実技」という授業と「きゅう実技」という授業を、時間割と担当を分けておこなっていますが、東京衛生学園は「鍼灸実技」としておこなっています。

基礎の実技授業で一番重要なのが何か分かりますか。それは反復練習です。繰り返し繰り返し練習することが求められますが、一番飽きてしまうのも反復練習です。鍼だけ、灸だけをやってしまうと、集中力が持ちません。そこで、教える側(教員)に負担はかかりますが、鍼に飽きてきたら灸、灸に飽きてきたら鍼、という感じで飽きることなく反復練習を途切れさせないために、東京衛生学園は「鍼灸基礎実技」にしているんです。

そして、この「基礎」の実技ですが、こちらも多くの学校が1年生で終わることが多いのですが、東京衛生学園は1年生の「鍼灸基礎実技1」、2年生の「鍼灸基礎実技2」、そして3年生の「鍼灸基礎実技3」と、3年間鍼灸基礎実技があります。

「基礎」が終わったら「応用」とか「臨床」とかになるのが一般的ですが、ここでいう「基礎」とは、単に「1年生で学ぶこと」なのでしょうか。東京衛生学園は違います。「鍼灸師になるための基礎」です。だから3年間、基礎を学ぶのです。

さて、そんな「鍼灸基礎実技1」の最初の授業で扱うのは、紙筒灸(写真左、商品名は「カマヤミニ」)と台座灸(写真右、商品名は「せんねん灸 竹生島」)です。

実はこれらのお灸には、興味深い歴史があります。
「趣味は鍼灸」と公言している私が、いつも授業で披露している小ネタをこのブログでもご紹介しましょう。
うちの卒業生はもちろんのこと、ありがたいことに現役の鍼灸師の先生方もこのブログをたくさん見てくださっているので、少し専門的なお話になります。

まず、紙筒灸が日本で初めて商品化されたのは昭和44年(1969年)のこと。江戸時代から続く老舗メーカー「釜屋もぐさ本舗」が開発した「カマヤミニ」です。発売当時は「間接灸なんて効果がないのでは?」と批判的な目で見られたそうですが、今やそんな下馬評を跳ね返し、なくてはならない存在となっています。

そして台座灸が日本初登場を果たしたのは、その4年後、昭和48年(1973年)のこと。「セネファ株式会社」の「せんねん灸伊吹」がそれにあたります。今でこそお馴染みの台座灸ですが、発売当初の台座が、実は「澱粉(デンプン)」で作られていたことはあまり知られていない隠れた豆知識です。

さて、ここで「東京衛生学園では、そんなお手軽な間接灸(火が直接肌に触れないタイプのお灸)を授業でやるんだ」と思ったそこのあなた、……そう、そこのあなたです。
確かに間接灸は、直接灸(火が直接肌に触れる昔ながらのお灸)に比べて扱いやすく、一般の方でも使用できます。しかし、道具というものは(よくハサミに例えられますが)、すべては使い手次第。 「間接灸=素人が使うもの」ともし思っているのであれば、それこそが素人の発想というものです(笑)。はっきり言って、カマヤミニとせんねん灸の登場によって、日本の灸は100年進化したと確信しています。それほど、この2つは偉大であり、最高の商品です。

趣味は鍼灸だから仕事は趣味だし学校の先生も趣味になります
教員 高橋大希